決算資料、ビジネスパーソンであれば一度は見たことがあるのではないでしょうか。
四半期に一度やってくる決算ですが、その中でどの部分を見て判断すればいいのか、なかなかわからない方も多いと思います。
ネットの記事では決算がポジティブなタイトルだったのに、翌日下がった・・・
逆に、ネットの記事では利益が下がったことをネガティブな捉え方だったが、翌日のマーケットでは上がったなんてこともあります。
これ、日本株の投資をしている方はあるあるではないでしょうか?
筆者は「なんでだろう?」といつも思っていました
今回は、そこで日本株についての決算発表の読み方・株価に影響するポイントをまとめました。
ちなみに米国株はよりシンプルですが微妙にルールが異なるため、今回は日本株が対象となります。
基本の基本!経常利益と利益率
まずは、会社の経常利益と利益率です。
日本株の場合、PERという指標がやたら重く?評価する傾向にあるので、利益の大小が決算後の需給に影響してきます。
経常利益が前年比で増えているか?またどの程度増えているか?
利益率は前年比と比較して増えているか?を確認しましょう。
大切なのは、あくまで本業での利益および利益率です。たまにスポットで本業外の利益や損失が発生して、それが全体に大きく影響を与えるような企業もあります。ただあくまで大事なのは本業になるので、本業での実態を見てみましょう。
ちなみに大抵の決算資料の場合、利益率の表記がない場合が普通なので、私はパソコンの近くに電卓をいつも置いて、計算しています。
決算後の上昇フラグとしては、
黒字転換>利益率上昇>利益上昇
ぐらいのパワーでしょうか。単なる利益上昇よりも、利益率の上昇、はたまた2期や3期連続した利益率の向上は非常にいい兆候です。
また前年比とは別に、前四半期(いわゆる前のQ)と比較するというのも1つの方法です。ただ、3ヶ月だと需要期とそうでない時期があるビジネスモデルでは、どうしても変わってしまうため前年の同期比で見るのが一番スタンダードです。
ただ、逆にコロナの影響というようなタイムリーな突発的な影響を見たいのであれば、前四半期との比較というのも役に立ったりします。
グロース株の最重要指標!売上成長率
利益は企業活動で非常に大切ですが、その利益は元は売上からきています。
人件費などのコストがマイナスになることはないので、売上のトップラインこそが経常利益のポテンシャルを決めます。
そういった意味で、売上もまた非常に大切な指標です。
特にグロース株投資・成長株投資の銘柄については売上成長率こそが一番重要とも言えます。なぜなら、グロース株は一般的に見てPERが割高だが、今後の成長のアップサイドを見ると理論的に理解できる、という思想だからです。
グロース株が成長しなければ、そこで株価の上昇は止まります。
ということで、売上についてですが、これもまた前年同期比との比較での成長率を見た方がいいでしょう。
売上成長率向上>売上成長が30%以上>売上成長しているが30%未満>売上成長していない
ぐらいの印象です。
売上成長率の向上は、なかなかレアです。10%が20%になるというぐらいならまだわからないこともないですが、30%が40%になるとインパクトが大きいです。
なぜなら、利益率以上に難易度が高いからです。
売上成長率は、一般的に売上が成長すればするほど成長率は鈍化していくものです。
例えば年商10億の企業が20%成長をすると年商12億になりますが、年商100億の企業が20%成長するには20億を積む必要があります。前者と後者、どちらかが簡単ですか?という話です。
利益率の向上は、売上が変わらなければ社内のコストを効率化すれば上がるので、売上成長率よりも難易度が低いはずです。
ということで、売上成長率をベンチマークして、成長率が加速しているかどうか、を決算で見ることをオススメします。
(厳密には決算ではないが)上方修正・下方修正
決算と一緒に出されることも多いので、簡単に説明します。
上方修正および下方修正はIRリリースという区分であり決算ではないですが、決算発表と一緒に修正を出すことも結構あります。
修正のリリースは、ルールがあります。
・売上高に対して10%以上の変動(プラスorマイナス)
・営業損益、経常損益、当期純損益に対して30%以上の変動(プラスorマイナス)
の場合に、修正を出す必要があります。(参照:上場会社の業績予想の修正基準を覚えておこう)
基本的に修正があるということは元々の予想があるわけで、その予想を元に株の売買がされていたのが、新しい予想になるということで、当然ですが上方修正だと翌営業日に株価が上がることが多いです。また下方修正については翌営業日に株価は一般的に下がります。
私自身、上場企業で働いていたことがありましたが、やはり株価に影響するため下方修正を出したくないプレッシャーが凄かったです。厳密な着地見込みを求められました。。
決算資料に大切なことが書いてある
以上になります。
売上と利益、どちらもそれぞれ大事です。
また、単純な合計だけではなく、どの事業でどの程度の売上や利益の割合があるのかを確認することも意味があります。
私は気になる銘柄の決算発表日には午後15時前後からソワソワしています。